泣きっ面に恋々!─泣き虫な身代わり花嫁と、泣き顔フェチな純真王子の恋々な結婚事情─
ステラから飛び出した本当に珍しい大声にジオはびっくりしてから笑った。
「そんなに叶えたい願いあるの?」
「え、あの、はい」
ステラは暗殺計画が完全にとん挫した先に、希望を見出した。
(カルラン様に会えたら、母を救ってもらえるかもしれない?!)
ジオが腕を前に伸ばすと、赤い鳥はジオの指先までぴょんぴょん跳ねていく。
ステラも腕を前に伸ばして、ジオの指先と指先をくっつけた。
ジオの腕とステラの腕で橋をつくると、赤い鳥がステラの腕までぴょんぴょん跳ねてやって来た。
「願いが叶うなら、カルラン様にお会いしてみたいです」
「レオが1度カルラン様に会った場所も通るから、もしかしたら会えるかも」