泣きっ面に恋々!─泣き虫な身代わり花嫁と、泣き顔フェチな純真王子の恋々な結婚事情─
花嫁、手繋ぎデートです
翌朝、ジオが揉んでくれた足は軽快だったが、ジオの目元には隈ができあがった。
万全とは言えないジオだが、食料に限りがある行程なので足を止めるわけには行かなかった。
二人は紫色の森の端、カルラ国とキドナ国との境界までやってきた。
ジオは一つの石碑の前に跪いて、石に手をかざした。くちばしマスク装着のステラもジオの隣に座ってじっくり石碑を眺める。
(なんか、ステラがいつもより近い気がする……嬉しいけど何かあったかな?足揉んだから……?あれ良かった?俺はものすごく良かったけど)
暗殺ではなく、神頼みに切り替えたステラはスッキリして、ジオの側に寄ることをためらう必要がなくなった。