泣きっ面に恋々!─泣き虫な身代わり花嫁と、泣き顔フェチな純真王子の恋々な結婚事情─
刻みつけた文様に魔法を流し込めば、いつでも魔法を発動できる道具となる。町刻みの魔法は、町の壁に魔法を刻んでいた。
ジオの盾魔法を流し込んだこの石碑は、カルラ国が行おうとしている封印を助けてくれる。
「封印って、町の人たちも言ってましたけど……」
ステラはあの時ジオが珍しく眉を下げて苦い顔をしたことを覚えていた。
「何を封印するのですか?化け物とか?」
妙に近い位置に座って首を傾げるステラが可愛くて、ジオは思わず白頭を撫でた。
「封印するのは、カルラ国全部だよ」
「国、ですか?」