泣きっ面に恋々!─泣き虫な身代わり花嫁と、泣き顔フェチな純真王子の恋々な結婚事情─
「ごめん、そのどこ行ったのかなって思って探してて」
まさか聞かれるとは思っていなかったが、ここは夫婦の寝室だ。ジオがいても問題ない。ステラが不用心だっただけだ。
恥ずかしいことを言ってしまったステラは羞恥がわき上がって顔に熱が上がる。瞳は涙が溜まって前が見えづらくなった。
「あー!びっくりさせてごめん!」
ぷるぷる震え出す白い子兎のようなステラに、ジオは両手を前に突き出して俺は安全です!を主張する距離を取った。
「泣かないで。俺、泣かれると可愛くてどうしていいかわかんない!って違う!今のナシ!」