泣きっ面に恋々!─泣き虫な身代わり花嫁と、泣き顔フェチな純真王子の恋々な結婚事情─
ステラはジオが初めて見せた弱音に胸がキュっと狭くなって痛かった。
(ジオ様のこんな悲しい顔、初めて……可愛いなんて、失礼なことを……)
弱いところを見せられると信用されているようで、可哀想で可愛く思ってしまった。
ステラはむくっと起き上がって、ジオが空に向かって所在なく伸ばした手をぎゅっと掴んだ。
「お優しいジオ様だからこそ、私の心は救っていただけました」
「ステラ……?」