泣きっ面に恋々!─泣き虫な身代わり花嫁と、泣き顔フェチな純真王子の恋々な結婚事情─
優し過ぎると揶揄される己に劣等感さえ抱いていたジオだった。
だが、優しくしてくれて救われたと、彼女の綺麗な微笑みをもらった。
ジオが今まで優しくあれたことに
誇りと意味が生まれた。
「私の夫が、ジオ様で良かったです。それこそ毎日思ってます。
私にはもったいないって」
ステラが握ってくれている手を握り返して、ひょいと身体を起こしたジオが起き上がった。
「俺のこと口説いてる?」