泣きっ面に恋々!─泣き虫な身代わり花嫁と、泣き顔フェチな純真王子の恋々な結婚事情─
可愛くてたまらないステラを、口でなんやかんや言い訳したジオは一晩中抱き締めて離さなかった。
(俺のステラ、俺の、ステラ……俺、この子だけは何を犠牲にしても絶対守りたい)
大事なものを抱き締めたまま眠った夜は、前日の睡眠不足も相まって、意外なほどよく眠れた。
守るべき、ではなく、己のエゴのみで「守りたいもの」を得たジオは、世界の見えようが劇的に変わって行くのだった。