泣きっ面に恋々!─泣き虫な身代わり花嫁と、泣き顔フェチな純真王子の恋々な結婚事情─
ステラはいきなり鳥の羽攻撃を仕掛けてきた彼に驚いたが、待望のカルラン登場に胸が躍った。
彼ならば、母を助けてくれるかもしれない。
だが、状況はそう甘くはなかった。
「これは挨拶じゃ」
(ステラ優先)
カルランが無造作にさり気なく赤い翼を振るうだけで、ジオの身を切り切り裂く風鎌が吹き荒れた。
ステラに風鎌がぶち当たる前にジオが指を鳴らすと、ステラには風の一つも当たらなかった。ステラの周りの穀物畑が一気になぎ倒される。ステラの周りはまったいらの地面になってしまった。
「ステラ、そこにいてね」
「ジオ様?!怪我が!」
「絶対守るから。俺のこと、信じて?」