泣きっ面に恋々!─泣き虫な身代わり花嫁と、泣き顔フェチな純真王子の恋々な結婚事情─
ジオは意地で正しい対処に戻ってステラの小さい頭を撫でてから、やっと弁明を始める。ついステラの涙に気を取られてしまった。
「その俺たちは夫婦になったけど、会ったばっかりだから。
初夜なんてする気ないよ」
ステラは初夜に乗り気ではないが、花嫁失格として追い返されるのも困る。
(追い返されでもしたら、お母さんがどうなるかわからない……)
王太子に取り入ることは暗殺計画の第一歩だ。