泣きっ面に恋々!─泣き虫な身代わり花嫁と、泣き顔フェチな純真王子の恋々な結婚事情─


ジオがステラの信頼を破ったことなど一度もなかった。このまま時間切れで母が死ぬくらいなら、どうなろうとジオを信じて告白するべきだ。


「はい……ジオ様を信じます」


まだ潤んだままの瞳で、優しく柔らかくささやかに笑ったステラの愛らしさに二人はキュンと胸が鳴った。両側からステラをぎゅうぎゅう抱き締める。


「ちょっとサーシャ様!?この可愛いのを独り占めしてたとかジオって性格悪くないですか?いい奴だと思ってたのに!」

「そうかもしれないわ。独り占めはダメってもっと厳しく言わなくちゃ!」

「ふふっ、お二人ともあったかいです」


サーシャとルキナにサンドイッチされたステラは、積年の重みが解けていくようだった。

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