泣きっ面に恋々!─泣き虫な身代わり花嫁と、泣き顔フェチな純真王子の恋々な結婚事情─
カルラ祭りの夜はあらゆるところに火がと灯って、誰もが灯りで赤く染まる。
ステラの繊細で控えめな笑みが赤く艶やかに照らされて、ジオの視界をずっと占領していた。
「じゃあ、みんなカルラ祭り楽しんでね!」
「俺とサーシャは国王夫婦姿で回ってくる。カルラン様、絶対どこかに来て遊んでるからな!しっかり騒げよ!」
「まかせてください、レオ様!」
ルキナがどんと胸を張った。ジオはステラの隣を確保して、両親がくちばしマスク、フルフェイスバージョンを装着するのを見ていた。ステラはその迫力あるマスクに目を丸くした。
(マスクでお二人の顔が全部見えなくなっちゃった)