泣きっ面に恋々!─泣き虫な身代わり花嫁と、泣き顔フェチな純真王子の恋々な結婚事情─


秘密を告げようと決めたステラは、彼の笑みに惹かれて押し込めた恋心の封印を解かすことができた。

自然に恋々の想いがわき上がる。


ジオのことがとても、好きだ。


胸に鳴く素直な恋々に身を任せて微笑むステラは、ジオの目に星空より綺麗に光った。


「騎士団のお仕事で、みんなのために魔法を操るジオ様は、素敵ですからね」

「す、ステラ?」

「はい?」

「いや、そのなんか可愛過ぎて驚くっていうか……なんでもない」

「お前らいちゃいちゃしてないで、広場にカルラスープ食べに行くぞ!」


ステラの無自覚な口説きにジオがぽっぽ顔を赤くしていると、二人の間に割り込んだルキナが両肩に夫婦を抱いて笑った。

ルキナは火灯りの中でもわかるほど赤いジオの顔を見てニヤつく。


「ジオお前何考えてんだよ、えっちな顔だなー!」

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