泣きっ面に恋々!─泣き虫な身代わり花嫁と、泣き顔フェチな純真王子の恋々な結婚事情─
独占欲が湧いてしてまえばそれはどんどん大きく育っていって、狭量な男になる。ジオは己の知らない自分が育つのを実感していて、その変化は止めようとして止められるものでもなかった。
「みなさん、カルラスープがお好きなんですね」
「ぷちぷち穀物が入っててうまいだろ?」
「はい、ぷちぷちです」
「カルラン様の好物でな。祭りの日は絶対食べにくるらしい」
ステラがルキナに手を引かれてカルラスープを食べて、広場でカルラ国民たちに囲まれて笑う姿は愛しくて可愛くて。ルキナはステラと肩を組んでご機嫌に笑っていた。
「ステラ、またサーシャ様と三人でお茶会しような!」
「はい、ぜひお願いします」