泣きっ面に恋々!─泣き虫な身代わり花嫁と、泣き顔フェチな純真王子の恋々な結婚事情─
広場の端っこに座って頭を抱えるジオを気にかけたステラの肩を抱いて、酒に酔ったルキナは大笑いする。
「我もスープが欲しいが、どこに行けばいいんじゃ?」
「お?迷子か?連れてってやるよ」
どこからかやってきた帽子を深くかぶった青年がルキナに訊ねると、ルキナは彼と旧友のように肩を組んで歩いて行ってしまう。
誰とでもすぐあの距離感をつくってしまうのがカルラ国民のすごいところだ。
「ジオ様、カルラスープを持って来ましょうか?」
酔っ払いルキナが去って、ステラがジオの前にしゃがみこんで青い瞳にジオだけに映してくれた。