泣きっ面に恋々!─泣き虫な身代わり花嫁と、泣き顔フェチな純真王子の恋々な結婚事情─
ジオがあまりに何も言わないステラを覗き込むと、ステラはきょとんと青い涙目を丸くした。
「ここ笑うとこ。って俺、必死過ぎた?」
二人で見つめ合って、ジオがふっと噴き出すとステラも初めてふっと笑えた。
「ステラやっと笑った。良かった!」
ほっと安心したジオの笑みが優しくて、ステラの胸で恋々の音が鳴いてしまった。
暗殺するために嫁いだ夫は、心底優しい人だった。