泣きっ面に恋々!─泣き虫な身代わり花嫁と、泣き顔フェチな純真王子の恋々な結婚事情─
どこまでいっても優しいジオの背に、ステラはか細い手を自分から回した。
「私も、ずっと前から、どうしても言えなくて」
ジオが欲しかった返事を満点でくれた彼女の瞳からまたぽろっと綺麗な涙が落ちる。ジオの喉が物欲しそうに鳴った。
「秘密があったので」
「ステラの秘密?教えてくれるの?」
「はい、ジオ様に聞いて欲しいです」
「わかった。じゃあ教えっこしよっか。実は俺も秘密あるんだよね」
ステラの両頬を優しく両手で挟んだジオは、まじまじと花嫁の涙を見つめる。
ジオは今夜、自分をさらけ出そうと決めてきた。秘密を語ってもらえるなら、ジオも秘密はなしだ。
「ごめん、ごめんごめんごめん、本当にごめんなんだけど」