泣きっ面に恋々!─泣き虫な身代わり花嫁と、泣き顔フェチな純真王子の恋々な結婚事情─
ジオの耳はステラのか細い声をしっかり拾っていたが、瞳はステラの泣き顔を注視していた。
小さな顔を大事に両掌に包んだジオには、ステラにどんな秘密があろうとも、
絶対に嫌えない自信があった。
秘密よりも、この可愛い子に今すぐキスしたかった。
「ジオ様を幻滅させてしまいますが」
今までジオを暗殺し続けてきたことを告白しようと思うと、またステラの目に涙が集まった。
涙はジオを昂らせるだけだ。