泣きっ面に恋々!─泣き虫な身代わり花嫁と、泣き顔フェチな純真王子の恋々な結婚事情─
花嫁、フェチ開発しました
窓から入る光に照らされたステラが覚醒すると、ジオはもう着替えを済ませて出て行くところだった。
「ステラ、おはよう。眠れたみたいで良かった」
「わ、私ったらなんて寝坊を……御支度の手伝いを」
慌ててベッドに起き上がったステラは寝ぐせで乱れた髪のまま、ジオの側に駆け寄った。
ジオはカラッと笑って、側に寄ってきたステラの寝ぐせ髪を手でちょいちょいと整えてやる。
「いいのいいの、一人でできるから」
(だけど、私のお仕事をしないと花嫁失格なんじゃ……)