泣きっ面に恋々!─泣き虫な身代わり花嫁と、泣き顔フェチな純真王子の恋々な結婚事情─
ステラの首筋に顔を埋めたジオはクスクス笑った。
ステラも眉をハの字に下げて、見事に全て失敗した暗殺を思い返してみて情けなくなる。
ジオはまた平然と軽やかにステラの秘密を許してしまう。
「それで、俺の暗殺は失敗したけど。
優しいステラが、そんなことしなきゃいけない理由があったんだよね?」
星明かりが眩い湖のほとりで、ステラを優しく抱き締めたジオの紫色の瞳に濃さが増した。
ここが根っこだろうとジオは察した。