泣きっ面に恋々!─泣き虫な身代わり花嫁と、泣き顔フェチな純真王子の恋々な結婚事情─
花嫁として嫁いだ限りは、ジオのお世話は花嫁の仕事のはずだ。
ステラは花嫁失格に怯えて、しゅんと俯いてしまう。
(あ、することないのもつまんないか。知り合いもいないからな)
身体の9割が優しさでできているジオは、ステラの気まずさを察した。
ジオはうーんと首をひねってステラのための仕事を考える。花嫁なんてのんびりしてくれていればジオはそれで良かったが、ステラの居心地の良さを優先した。
「俺は騎士団で訓練だから。良かったら、隣の部屋でも掃除しててくれる?」