泣きっ面に恋々!─泣き虫な身代わり花嫁と、泣き顔フェチな純真王子の恋々な結婚事情─
ずっとステラの心の中を聞きたかった。
やっと話しても大丈夫と信じてもらえた。
ついに心を明かしてくれたステラへの感謝に突き動かされたジオの足が早まる。
王城の真上に到着したジオが盾魔法を大きく踏んで飛び降りる。
「ステラ、俺に話してくれてありがとう」
空から下へと飛び降りる強い浮遊感に、ステラはぎゅっとジオに抱きついて縋った。
「俺を好きになってくれて、ありがとう」
ジオは盾魔法を強く一歩踏んでまた飛び降りる。
「俺を信じてくれて、ありがとう!!」
ジオは盾魔法を踏み飛び降りて、ステラを抱いたまま軽々と地面に着地した。
「君のこと絶対、守るから」
ジオの首に強く抱きついたままのステラはまた涙を滲ませて、大きく頷いた。