泣きっ面に恋々!─泣き虫な身代わり花嫁と、泣き顔フェチな純真王子の恋々な結婚事情─
ジオが着地したのはくちばしフルフェイスマスクを着用した国王レオナルドの前だった。
「ジオ、どうした?帰って来なくて良かったのに。
また慣れないくせに外でヤったの?意外とチャレンジャーなとこあるよな、お前」
カルラ祭りの夜は、まだまだ誰も眠らない。大火を中心に盛り上がる広場の真ん中で、ジオはステラを隣に立たせて、レオナルドの前に跪いた。
「国王様にお願いが」
ジオの神妙な様子に、広場で祭りの夜を楽しんでいた国民たちから視線が集まる。レオナルドはジオの真剣さを感じて立ち上った。
「……言ってみろ」