泣きっ面に恋々!─泣き虫な身代わり花嫁と、泣き顔フェチな純真王子の恋々な結婚事情─
にっこり笑ったサーシャが両手を祈りの形に整えると、爆風が起こった。
トンデモ爆風がジオの盾魔法が張りついた背中にぶつかると、勢いよくぶっ飛ばされていく。
空を突き抜ける感覚にステラは何が何だかわからず、ジオの首に抱きついたまま叫び散らした。
「きゃあああー!!」
「サーシャ、加減できてんのこれ?!大丈夫これ?!」
「レオさんの魔法レシピっていつも全力だから、加減はできません!」
すっとぼけたサーシャの全力風魔法に送られて、ジオとステラはあっという間に星の彼方へと見えなくなってしまった。
「いってらっしゃい!」