泣きっ面に恋々!─泣き虫な身代わり花嫁と、泣き顔フェチな純真王子の恋々な結婚事情─

このままいけば、キドナ国王都の背中側にある切り立った山壁に激突するルートのようである。


びくびく首に抱きつくステラを抱き寄せて、ジオは指をパチンパチンと連続で鳴らした。


「やるしかないから、やるけど!」


ジオは二人の身体の周りにぶ厚く立方体に盾魔法を巡らせて、山壁への衝突に備えた。


「もうちょっと優しく送ってよサーシャ!」

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