泣きっ面に恋々!─泣き虫な身代わり花嫁と、泣き顔フェチな純真王子の恋々な結婚事情─

ベッドの脇に膝から崩れ落ちてしまったステラの傍らに、ジオが膝をついた。


泣き始めるステラの頭を抱き寄せたジオは、頭が凍ったように冷たかった。


(この骨がステラのお母さん?肉が腐って家に腐臭がついて骨になるまで、誰も弔わなかった?

娘のステラに一報もせず……まさかあの髪の毛って)


ステラに一度だけ届いた手紙には、白い髪の毛が入っていた。


あれは亡くなった母親のものだった可能性に行き当たったジオは、恐ろしくてステラを抱き寄せた。


理解が及ばない光景を前に、ジオはただステラを抱き締める。


ジオはこれをやった人間が怖かった。

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