泣きっ面に恋々!─泣き虫な身代わり花嫁と、泣き顔フェチな純真王子の恋々な結婚事情─
赤い鳥と共にステラが静かに湖畔で泣いていると、空を駆けてきたジオが降って来た。
トンと軽々ステラの隣に着地したジオは安心した顔で快活に笑った。
「ステラみーつけた!散歩行くなら俺も連れてってくれればいいのに。心配した」
ステラが申し訳ないことをしてしまったと口をきゅっと堪えると、ジオはステラの白頭を優しく撫でた。
「怒ってないよ?ステラと遊びたかっただけ」
ジオが優しく笑えば笑うほど、ステラは笑い返せない自分が不甲斐ない。
そんな弱いステラだから、母も守れなかったのだと罪の意識に苛まれる。
「ご、ごめんなさい……」
「謝らなくていいのに」