泣きっ面に恋々!─泣き虫な身代わり花嫁と、泣き顔フェチな純真王子の恋々な結婚事情─
ステラの澄んだ声にカルランは黒目だけの瞳をキョトンとした。
「カルラ国の人間を、一人残らず誰も見られなくします」
「な、なんと……我の楽しみを奪う気か……」
「生きがいを、奪わせて頂きます」
カルランはまさかのステラから出てきた、凶悪な発案に黒目をくるくるした。ジオもステラの凛とした態度に目を奪われる。
「ジオ様、みんなを封印でき、ます、よね?」
ステラが眉をハの字にして心配そうに細い声で伺いを立てた。
(ステラが!俺を!自分から!頼ってくれた!!)