泣きっ面に恋々!─泣き虫な身代わり花嫁と、泣き顔フェチな純真王子の恋々な結婚事情─
「カルラン様に永劫お約束したカルラスープの提供や祭りは続けます。
でもカルラン様の目に人間が映らなくなる」
「ぐっ……悪どいではないか……お主を捕まえておけば」
「もちろん俺自身も封印します。俺を見つけて封印を解かせるのは簡単じゃないですよ?何十年でも逃げ続けてやります」
ジオの低い声と、光なく暗い真剣な瞳にカルランはついに黙った。本気だ。
(此奴は本当にどこまでも逃げそうじゃな……え、追うの面倒)