泣きっ面に恋々!─泣き虫な身代わり花嫁と、泣き顔フェチな純真王子の恋々な結婚事情─
団長の若干アウトな発言にレオナルドは目を細めて非難を示した。レオナルドも息子の本気の嫌悪は買いたくない。
「ジオに封印されるぞ?」
「それは大変。おっさん黙っとくわ」
団長は身の安全のために、口を噤むことにした。
「あの、ジオ様……」
ぎゃあぎゃあうるさい食堂で、ステラがか細い可愛い声を出すと、ピタリとジオの声が止んだ。ジオはステラの小さい声を一つも見逃したくなかった。
「何?ステラ」
「お願いがあって」
「何なに?!」
ジオがステラの「お願い」なんて嬉し過ぎるものをもらえるなんて!と張り切って聞き耳を立てる。
だが、お願いは予想外の方向から来た。