泣きっ面に恋々!─泣き虫な身代わり花嫁と、泣き顔フェチな純真王子の恋々な結婚事情─
ジオは我慢したかいがあるとその笑顔が胸に染み入った。だが、背後でまだゲラゲラ笑っているルキナをぶん殴らないと気が済まなかった。
「ルキナー!お前外出ろ!俺が勝つ!」
「無理、まだ飯食ってねぇ」
「ご用意しますね。サーシャ様ー!」
食堂の配膳係としてお仕事し始めたステラがあっちこっちぴょこぴょこ歩くのが壮絶可愛い。
ジオはその後ステラのお仕事が終わるまで、食堂から全く動かなかった。
「おいジオ、外で手合わせするんじゃなかったのかよ」
「無理、まだステラ見てる」
「お前うっざー」