泣きっ面に恋々!─泣き虫な身代わり花嫁と、泣き顔フェチな純真王子の恋々な結婚事情─
「まあジオの心配は妥当だな。ついグッときて家に持って帰りたくなる」
「ステラちゃん?カルラ国の人は基本的に優しいけど、それでも知らない人には着いて行っちゃダメよ。血迷うバカはどこにでもいるからね」
「はい、ジオ様によく言われています。一人でどこにも行かないようにと」
柔らかくにこりと微笑むステラの白頭を、サーシャとルキナは撫でくり回した。確かに、子兎はひょいと担がれて連れて行かれそうで心配にはなる。
(ステラちゃん、笑顔が戻って良かった)
ステラをなでなでハグハグするサーシャは胸を撫で下ろしていた。