泣きっ面に恋々!─泣き虫な身代わり花嫁と、泣き顔フェチな純真王子の恋々な結婚事情─
ジオが注意事項を唱えて無心でゴロゴロし続けていると、静かに扉が開いて待望の花嫁が帰って来た。
「ジオ様、あの、遅くなりました」
「いい!全く問題ない!」
今まで帰ってこないことを不満に思っていたのに、ステラが控えめに小さく微笑むとジオは全部どうでもよくなった。ベッドから飛び起きてステラを迎える。
ステラがゆっくり足を進めて、ジオが胡坐をかいて座ったベッドに腰掛けた。二人で座るとベッドが沈んで軋んだ。
「あの、ジオ様?」
「ん?」