泣きっ面に恋々!─泣き虫な身代わり花嫁と、泣き顔フェチな純真王子の恋々な結婚事情─
「私、決められたから、命じられたからジオ様の花嫁でいるのではなく、
自ら望んで、ジオ様の花嫁になりたいです」
ステラの強い意志に魅入られて、ジオは顔がニヤけた。
「それって口説いてる?」
ジオがゆるみきった表情でステラの顔に顔を寄せていくと、ステラの頬がじわじわと紅色に染まった。ステラはジオから視線を逸らさずに微かに頷く。
「く、口説いてます」
「可愛い過ぎる。もっと口説かれたい」
ジオはステラと鼻先を擦り合わせて、嬉しさをぎゅっと噛みしめて笑った。