泣きっ面に恋々!─泣き虫な身代わり花嫁と、泣き顔フェチな純真王子の恋々な結婚事情─
ジオからの愛に、一息つく間もない。なまめかしく息を乱すステラの上にまたがって、ジオは上半身の上着を脱ぎ捨てた。
「抱きたい」
ジオの上半身が裸になって、ステラはビクついた。ジオはステラの目がビクリと潤んだのを見逃さない。
(これは怖いじゃなくて、照れてる潤目。最高可愛い)
ジオの涙判断が抜群の精度を誇っていた。
上半身肌色のジオはステラの顔の両側に両手をついて、ステラを真下に見下ろす。情欲に溺れた紫色の双眼には可愛く潤んだ花嫁の顔がよく見えた。
「自ら望んで、俺の花嫁になってくれるんだよね?」
「……はい」
「じゃあ自ら望んで、抱かれてくれる?」