泣きっ面に恋々!─泣き虫な身代わり花嫁と、泣き顔フェチな純真王子の恋々な結婚事情─
花嫁、大歓迎されました
ジオの物置部屋の片づけをひと段落したステラは、指示通り騎士団を目指していた。だが今、迷子である。
「畑?ここは中庭なのに?」
王城内をぐるぐる回って、ステラはやっと中庭らしきところに到着した。
だが、中庭なのに眼前に広がるのは立派な畑だ。赤や緑の作物が元気に実っている生命力あふれる場所である。
「見かけない顔だね。あ!アンタ、ジオの花嫁さんでしょ?!」