泣きっ面に恋々!─泣き虫な身代わり花嫁と、泣き顔フェチな純真王子の恋々な結婚事情─
ステラが畑の脇をそろそろ歩いていると、畑仕事をしていた女性が急に立ち上がって大きな声をあげた。
ステラがビクビク頷くと、畑の間からわらわらと人が集まって来る。
「おー!あんたがジオの嫁さんかー!」
「ジオのこと頼むよ」
「あの子、本当にいい子だから」
ステラはすぐに老若男女の人たちに囲まれてしまって、白頭を無許可でわしゃわしゃ撫でられる。
誰もが遠慮せずステラの白頭を撫でてジオをよろしくと笑う。
「これ持って行きな」