泣きっ面に恋々!─泣き虫な身代わり花嫁と、泣き顔フェチな純真王子の恋々な結婚事情─
子どもたちがステラの裾を引っ張ってしゃがませると、ステラの頭上にポンと花冠が乗った。
大人たちは似合う似合うと拍手して笑い、小さな男の子はステラの花いっぱいの手に小石を無理やり握らせた。
(これってもしかして、ジオ様の部屋にあったのと同じ)
ステラはジオの物置小屋に無数に置いてあった小石や花冠の出所はここかもしれないと思い当たった。
(ジオ様は子どもたちからもらったものを、捨てられなかった?)