泣きっ面に恋々!─泣き虫な身代わり花嫁と、泣き顔フェチな純真王子の恋々な結婚事情─
ぺこりと頭を下げるステラの小さくて無防備なつむじにジオの胸がキュっとむずがゆくなる。
「全く遅くないよ?」
太陽は真上をとっくに過ぎた。しかしジオはあっけらかんと言い放つ。カルラ国の人は時間感覚ものんびりらしい。
ジオの後ろからついてきた国王レオナルドと、幼馴染のルキナが上からステラを見下ろす。
結婚式でボロ泣きだったステラに挨拶もしてないので、子兎花嫁に興味津々だ。
「は、はじめまして、ステラです」