泣きっ面に恋々!─泣き虫な身代わり花嫁と、泣き顔フェチな純真王子の恋々な結婚事情─
「マスクって何ですか?」
ジオがパチンと指を鳴らすと、ジオの肩の高さに大きな鞄が現れてドサッと地面に落ちた。
(突然、か、鞄が……?!)
ジオは地面に落ちた鞄からマスクを取り出した。ステラは初めて見た魔法に驚いて声も出ない。
「これくちばしマスクって言って、毒気の中でも息ができる道具」
ジオはステラの顔に優しくマスクを装着してやる。
「くちばしマスクには盾魔法を刻んでてね。盾魔法は毒気を除去できるんだ」