泣きっ面に恋々!─泣き虫な身代わり花嫁と、泣き顔フェチな純真王子の恋々な結婚事情─

天を仰いで思考に浸っていたジオを、ステラのか細い声が呼ぶ。


ジオがパッと振り向くと、素足で砂地に立つステラが両手でスカートをぎゅうと握り締めていた。


何か言いにくそうに唇をきゅっと噛んでいる姿がジオを刺激する。


(なんだろ、立ってるだけでいじらしい感じ……ズルくない?)


ステラが素足でそこに立って恥じらっているだけで、甘い味がジオの口の中を満たす。


ジオは自分が夫として守るべきものとして、か弱い妻がぷるぷるしていると庇護欲を刺激されて震えてしまう。


「私、実は湖が初めてでして」

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