泣きっ面に恋々!─泣き虫な身代わり花嫁と、泣き顔フェチな純真王子の恋々な結婚事情─
ジオの気遣いにステラはいちいち胸が鳴いて、目の前が淡い恋の色に染まってしまう。
(ジオ様は……優し過ぎます)
はにかむジオに手を引かれて、ステラは首から下げた銀の筒を岸辺に置き去りにした。
毒の粉が湖で濡れては困るからだ。
だが、重いものを首から外したステラは、初めて湖の水に足を浸ける体験に集中することができた。
(すごいすごいすごい水で遊ぶなんて贅沢!なにこれ気持ちいい!)