帷くんは秘め事が大好きらしい


午後の授業が終わり、教科書をカバンに詰める。


「みんな、またね~」

「まどかちゃん、バイバイ~」


クラスメイトに笑顔で手を振り、教室の外へ。

廊下を歩きながら、思い出し笑いを浮かべちゃった。


モモちゃん、陸上部に顔を出すからって教室を飛び出していったなぁ。

テスト期間が明けて、気が緩みまくってるであろう後輩に、カツを入れなくちゃだって。


フフフ。

引退した先輩ヅラしに行くと見せかけて、ストレス発散したいだけでしょ?

『ハードルが恋しいよ~』って、部活を引退してからよく愚痴っているし。

私は早く帰って、ダンス練習をしよっと。


本番は4日後。

体育祭なら、学年が違う帷くんにも会えるし。

芸術すぎるチア衣装を、考えてくれたんだもん。

それを着て、完璧なチアダンスを披露しなきゃ!

< 143 / 263 >

この作品をシェア

pagetop