帷くんは秘め事が大好きらしい
午後の授業が終わり、教科書をカバンに詰める。
「みんな、またね~」
「まどかちゃん、バイバイ~」
クラスメイトに笑顔で手を振り、教室の外へ。
廊下を歩きながら、思い出し笑いを浮かべちゃった。
モモちゃん、陸上部に顔を出すからって教室を飛び出していったなぁ。
テスト期間が明けて、気が緩みまくってるであろう後輩に、カツを入れなくちゃだって。
フフフ。
引退した先輩ヅラしに行くと見せかけて、ストレス発散したいだけでしょ?
『ハードルが恋しいよ~』って、部活を引退してからよく愚痴っているし。
私は早く帰って、ダンス練習をしよっと。
本番は4日後。
体育祭なら、学年が違う帷くんにも会えるし。
芸術すぎるチア衣装を、考えてくれたんだもん。
それを着て、完璧なチアダンスを披露しなきゃ!