帷くんは秘め事が大好きらしい
「よし」と軽くガッツポーズを決め、廊下を進む。
「まどか先輩~!」
後ろからバタバタと足音が聞こえ、私は歩みを止め振り返った。
後輩女子が3人。
チアに参加してくれている子たちだ。
どうしたの?と口から出そうになって、唇に手を押し当てる。
なぜかみんなの目が、異常に吊り上がっている。
走ってきたとはいえ、呼吸が荒すぎるし。
どうやら私と、仲良くおしゃべりしたいわけではないみたい。
えっと……怒っているよね?
私、なにか悪いことをしちゃったのかな?
対面する3人のうち、真ん中の子が怒り声を放った。
「どういうことですか、まどか先輩!」
「……えっ?」
「SNS、大荒れですよ!」
「先輩のせいで、帷くんが大変なことになってるじゃないですか!」