帷くんは秘め事が大好きらしい
帷くんファンの子に突き付けられた、スマホの画面。
そこには、保健室のベッドで寝ている私の姿が。
ベッドに腰を掛けているのは、間違いなく帷くんで。
私の顔の横に片手をつき、私に覆いかぶさるように体を傾けている。
角度的にキスされているかどうかまでは、はっきりしないけど。
これって、本当にあった出来事なの?
違うよね?
「えっと……CGとかじゃないかな……今の技術、すごいって言うし」
私は身に覚えが全くないし。
「あっ。帷くんがさらにネットで叩かれまくってる」
「ほんとだ。『授業さぼって保健室でキス。高瀬帷、キモすぎでしょ?』だって」
「こっちには『恋人は作らない。世界中の人が恋人。そんなことほざいてなかった? 人気集めのために、正統派王子様キャラを演じてた、クズってわけか』だって」