帷くんは秘め事が大好きらしい
「帷くんの悪口書いてる奴ら、酷すぎじゃない? 帷くんのことをよく知らないくせに、言いたい放題で」
「ほんとだよ、帷くんは全く悪くないじゃん。生きてるだけで神なのに」
「叩かれてかわいそすぎ~ ファンとして、ほんと耐えられない」
「みんなのことが大好きって言う帷くんが、仕事でもないのに誰かとキスするなんてありえないんです。まどか先輩が、帷くんをゆすったんですよね?」
……えっ?
……私が、ゆすった?
「弱み握ってるとか?」
「そんなことしてないよ!」
「チア服を帷くんが手伝ったのだって、よくよく考えればおかしいし。手伝う理由がないもん。まどか先輩が脅して、チア服つくらせて、キスさせたんでしょ?」
「ちっ、違うから!」
「そういえばまどかちゃん、松岡くんとも保健室のベッドにこもってたよね?」
「あっ…、うん」
「うそ? 二股じゃん。 サイテー」
「そっ、それも誤解でね。あの時は、私が倒れそうなほど寝不足で。保健室のベッドで休めって、言われただけで……」