帷くんは秘め事が大好きらしい

「帷くんが逆らえないネタ掴んで。マンションまで押しかけて、保健室ではキスまでせがんで」


「まどか先輩は、そんなに芸能人と特別な関係になりたかったんですか? やり方が卑怯すぎです」


「だから、そんなんじゃないってば」


「チアになんか、立候補しなきゃよかったね~」


「あぁあ~。あんなに頑張って練習した時間、返せって感じだよ~」



いくら「違う」と首を横に振っても、私の言うことなんて信じてもらえない。


直接、きつい言葉の刃で攻撃をしてくる人がいる。


スマホのカメラで、私をパシャパシャ撮って。

特大スクープを誰かに送っているかのように、ニヤつきながらスマホをいじっている人もいる。


かわいそうっていう目を私に向けてくる人もいるけれど。

私をかばってくれる人は、誰一人いない。

< 151 / 263 >

この作品をシェア

pagetop