帷くんは秘め事が大好きらしい
「帷くんが逆らえないネタ掴んで。マンションまで押しかけて、保健室ではキスまでせがんで」
「まどか先輩は、そんなに芸能人と特別な関係になりたかったんですか? やり方が卑怯すぎです」
「だから、そんなんじゃないってば」
「チアになんか、立候補しなきゃよかったね~」
「あぁあ~。あんなに頑張って練習した時間、返せって感じだよ~」
いくら「違う」と首を横に振っても、私の言うことなんて信じてもらえない。
直接、きつい言葉の刃で攻撃をしてくる人がいる。
スマホのカメラで、私をパシャパシャ撮って。
特大スクープを誰かに送っているかのように、ニヤつきながらスマホをいじっている人もいる。
かわいそうっていう目を私に向けてくる人もいるけれど。
私をかばってくれる人は、誰一人いない。