帷くんは秘め事が大好きらしい
総長オーラと言いますか、怒鳴り散らす威圧感が、半端ないといいますか。
みんなは、怯えてしまったようで……
「なんでもないです」
「東条先輩、さようなら~」
私を囲んでいた生徒たちが、サーッといなくなってくれた。
救世主、登場
魔王様、降臨。
とりあえず助かったよ。
「川島、オマエも早く帰れよ」
「あっ、うん」
嵐を連れ去るように、東条くんが靴箱に向かって歩いていく。
私は立ち尽くしたまま、廊下に一人ポツン。
まだ脳がボケボケで、思考がうまく働かない。