帷くんは秘め事が大好きらしい
みんなも私のせいでたくさん傷ついていて
見て見ぬふりは、自分を守る手段なんだろうなと思うと
――私なんか、いなければ……
罪悪感が沸き上がってしまう。
デジタルタトゥー。
本当に恐ろしい。
ネットの中という空間に刻まれてしまった私の情報は、綺麗に消し去ることは不可能で。
この苦しみから逃れるすべは、ただ一つ。
私が消えるしか……
ううん、それはダメ。
私を笑顔にするのが生きがいの両親が、悲しんでしまう。
モモちゃんも、由乃ちゃんも大泣きすること間違いなし。
アンチなんて、耐えればいいだけのこと。
ネットの声も、気にしなければいい話。
何を言われても、見知らぬ人から罵声を浴びせられても、
唇をかみしながら我慢をして、こぼれそうになる涙を瞳の奥に押し戻して、必死に堪えしのげばいいんだ。