帷くんは秘め事が大好きらしい


みんなも私のせいでたくさん傷ついていて

見て見ぬふりは、自分を守る手段なんだろうなと思うと


――私なんか、いなければ……


罪悪感が沸き上がってしまう。





デジタルタトゥー。

本当に恐ろしい。

ネットの中という空間に刻まれてしまった私の情報は、綺麗に消し去ることは不可能で。

この苦しみから逃れるすべは、ただ一つ。


私が消えるしか……




ううん、それはダメ。

私を笑顔にするのが生きがいの両親が、悲しんでしまう。

モモちゃんも、由乃ちゃんも大泣きすること間違いなし。



アンチなんて、耐えればいいだけのこと。

ネットの声も、気にしなければいい話。


何を言われても、見知らぬ人から罵声を浴びせられても、

唇をかみしながら我慢をして、こぼれそうになる涙を瞳の奥に押し戻して、必死に堪えしのげばいいんだ。

< 170 / 263 >

この作品をシェア

pagetop