帷くんは秘め事が大好きらしい

「まどか先輩は優しいから、み~んなの心配をするの。いろんな人にマリア様みたいな温情をふりまいちゃう。どんどんまどか先輩の周りには友達が群がってさ。見ていられないのよ。私だけのまどか先輩なのに」


「由乃さんが、俺とまどか先輩の盗撮写真をネットにあげたのって……」


「帷くんのご想像通り。まどか先輩を、一人ぼっちにするためで~す」


……満面の笑みで両手ピースって。

……そんな理由で、まどか先輩を苦しめたの?



「まどか先輩が、かわいそうだと思わないのか?」


「深~く深~く傷ついてるところをね、私が優し~く優し~く癒してあげるの。まどか先輩が心を許す相手が私だけになれば、まどか先輩は私だけに泣きついてくれるでしょ? それを私が更に慰めて。私たち二人だけの世界ができあがって。フフフ、最高~」


「まどか先輩には松岡先輩がいる。慰めるのは彼氏の役目で……」


「どこをどう切り取ったら、あの二人が恋人同士だって勘違いできちゃうのかな?」


「……付き合って……ない?」


「まどか先輩を見てればわかるでしょ? 松岡先輩は脈無しだって」


「……ほんと?」

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