帷くんは秘め事が大好きらしい
「……紙」
「俺が借りる物が書いてある?」
「……うん」
「はい、どうぞ」
小さく折りたたまれた紙を、まどか先輩に渡した直後
「私なんかが……なっても……いいの?」
まどか先輩は広げた紙を、俺の目の前に突き出してきた。
不安そうに揺れる彼女の瞳。
上目づかいで見つめられ、俺の瞳は紙なんか捉えない。
大好きなまどか先輩から、視線を逸らせられない。
「なってもいいって、何に?」
「だから……その……帷くんの……かけがえのない人に……」
えっ?
「帷くんのこと……どうしようもなく大好きなの……。でも……本当に私なんかでいいのかなって……不安でたまらなくて……」